訪れた運命の出会い
1902年のある日、青森水産試験場を訪れた和井内は、北海道の支笏湖で回帰本能を持つヒメマスの移入を勧められました。和井内はこのチャンスに賭けました。妻の勝と相談し、彼は売れる私財の全てを売り払って資金を調達しました。そして、支笏湖からヒメマスの卵3万個を購入し、ふ化させた稚魚を十和田湖に放流したのでした。家計は非常に困窮していたものの、和井内とその妻は、今度こそついに自分たちの努力が報われると確信していました。
ヒメマス